2014年07月24日

池が変わった!

先日開催した井の頭かんさつ会では「かいぼり後の池」をテーマにしました。
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「かいぼり」は、池に投げ込まれた自転車を回収するためにやったのではありません。
もちろん出てきたゴミは回収しましたが、目的は水質浄化と生態系復活です。
予算と労力をかけた結果はどうか……

今回の事業は不完全だったにも関わらず、多くの変化がありました。
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かいぼり前は絶えていた水草が何種類も生えてきました。
池の水の透明度が上がったことで、光が水底まで届くようになり
休眠していた種子が発芽したのでしょう。
また、今までは発芽しても鯉やザリガニなどの外来種に
食べられていたものが、かいぼりで外来種を駆除したので、
生育できるようになったこともあります。
水草が増えれば水質浄化にも寄与してくれますので、
そのことでますます水草が増え、好循環になります。

今回、事情があって弁天池はかいぼりできませんでしたが、
池の水の透明度の差を比較することができます。

弁天池(かいぼりなし)
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ボート池(かいぼり済み)
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池を比較してみると、色が異なるのがよく判ります。
そして、私たちの目標の一つが達成されました。
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雛鳥に餌を与えるカイツブリ

カイツブリが再び子育てできるようになったのです。
しかも今、3ペアが子育て中です。かいぼり前は子育てどころか、
自分たちが食べていくのも厳しかったのに。

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抱卵中のカイツブリ

かいぼり前は池にカイツブリがいないことも珍しくなかったのですが、
現在は3ペア、6羽がなわばりをもっています。
最初のペアは2羽、2番目のペアは4羽の雛をかえしました。
彼らはいつ、池が変わったことを知ったのでしょう。
カイツブリは、決して飛ぶのが上手とはいえませんが、
夜のうちに偵察に来ていたのでしょうか。
透明度が上がり、在来魚も増えていることを確認し、
これなら子育てできる!と確信したのでしょうか。
かいぼりしていない弁天池は空き家になっていますが、
カイツブリはいません。その差は歴然としています。
いろいろ想像するとおもしろいですし、生き物の能力はスゴいですね。

現在、井の頭池では生き残ったザリガニやブルーギルが増えています。
このまま放っておくと、また悪くなりますので、次回のかいぼりまで
手を止めることはできません。
ジョー


posted by 染井六 at 17:42| 東京 ☀| Comment(2) | 環境保全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月06日

Kaibori

今、井の頭公園の池は、写真のように水がありません。
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TVや新聞に多数取り上げられましたので、
ご覧になった方も多いかと思いますが「かいぼり」を実施中です。

「かいぼり」とは、本来は灌漑(かんがい)のために必要な
ため池の掃除のため、農閑期に水を抜いて掃除と天日干しを
行なうものですが、近年都市公園やお堀などで行なわれる
ケースが増えています。水質浄化だけでなく、外来種を駆除して
生態系を回復するために実施されます。

なぜ、井の頭公園の池で「かいぼり」なのか。

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子育て中のカイツブリ

井の頭池には水鳥のカイツブリが数ペアいて、春先から繁殖し、
雛鳥を背中に乗せて池を行き来する姿が風物詩の一つでした。
カイツブリの主食はモツゴ(クチボソ)やスジエビで、
潜水しては器用に餌を捕って上がってくるものでした。
ところが、いつの間にか池の中は外来魚のブラックバスや
ブルーギルだらけになっていて、カイツブリの餌となる在来生物は
絶滅寸前まで減ってしまっていたのです。

2007年からカイツブリの繁殖は失敗が続き、その後は
繁殖自体行なわれなくなってしまいました。
子育てできるだけの餌が、捕れなくなってしまったのです。
最近では、親鳥自身も飢えてしまい、池にカイツブリがいない
日も多くなってきました。本来は留鳥(一年中いる鳥)のはずなのに。

「カイツブリが普通に子育てできる環境を取り戻したい」
私の所属する井の頭かんさつ会では、その想いで2007年から
外来魚の防除活動に取り組んできました。
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ある時は外来種防除に強いNPOと。ある時は地元の社会奉仕団体と。
毎週毎週駆除に取り組みました。ところが。
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捕っても捕っても、減らないのです。
ある年のブルーギルの漁獲は累計で10万匹でした。
ところが、次の年も同じくらい捕れました。翌年もです。

これはもう「かいぼり」しかない。
以前から管理者に対して話はしていましたが、予算もかかりますし、
すぐに色よい返事はもらえませんでした。
私たちとしては、地道に駆除活動に取り組んでみた結果、
水を抜いて、生き物を捕獲し、干さないと根本的な解決にならない
という結論に至りました。そして、協議会の設置から始めて、
「かいぼりまだかー」「早くやれー」と催促してきました。
そして今回やっと実現したのが井の頭池の「かいぼり」なのです。
7年越しの悲願でした。

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今回のために研修を重ねたボランティアは約100人。
生物部の学生から、リタイアしたおじさんまで様々な人が集まりました。

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私が活動している井の頭かんさつ会チーム。
かいぼり前から、7年間地道に駆除活動を続けてきました。
作業前なので、皆キレイ。終わるとどろどろになります。

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水を抜いて水位の下がった池に入り、生き物を捕獲します。
普段見られない光景ですね。

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チームプレイで追い込みをかけ、漁獲の効率を上げます。

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追い込んだ先で投網を打つと、効果的に捕獲できます。

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捕獲した生き物を在来生物と外来生物に仕分けし、展示をしながら
公園利用者に対して普及啓発します。変わった生き物もたくさん
あがっていたのですが、私は一日中現場に入っていたので、
展示の様子は見られませんでした。

今回の「かいぼり」は計画段階から不完全な部分があり、
実施に際しても不備がありました。
今後、開園100周年となる2017年に向けて、もう2回ほど
やることになるでしょう。
「カイツブリが普通に繁殖できる環境を取り戻す」
私たちの願いを実現するため、今後も頑張っていきます。

ジョー
posted by 染井六 at 16:05| 東京 ☁| Comment(0) | 環境保全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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